感想等雑記

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【ネタバレ】映画刀剣乱舞 黎明 感想

 そもそもわたしは予告編を見たときに「時代劇じゃないのか……時代劇見たかったのに……」ってガッカリしたのもありますが、そんなに面白くなかったなあ……というのが正直な感想です。前回が「特撮みたいで面白い」ってウケたからさらに特撮みを増しました、みたいな印象。刀剣乱舞はメディアミックスが豊富なので、時代劇だと信長は前回やったし、豊臣も徳川も幕末も他のメディアが既にやってるし現代にしよう、ってとこもあるのかな。でも世界観の作り込みがイマイチというか、「刀剣乱舞の物語」というより「なんか特撮世界の物語に刀剣乱舞がコラボしてる」みたいな印象だった。主役が琴音といぶきの特撮物語に刀剣男士がゲスト出演みたいな。

 あ、前作とは「別の本丸」の物語なので前作見てる必要はないです。見たことないなら前作の方が面白いので前作の方がおすすめですが。

ネタバレなし感想はこちら↓
harmonia.hatenadiary.com

 以下ネタバレ注意です。


・「仮の主」
 琴音以外は出オチ感がある。特に終盤はほぼ「いるだけ」になっている。途中もこれといった活躍はない。実弦はよくしゃべるから印象に残るが倉橋と各務は印象が薄い。倉橋も各務も世界観の説明になりそうなのにあんまりしゃべらない。話題性のためだけの設定なのでは……。てか、邪推をするなら男性ファン獲得のために女の子を出したかったが、女の子だけ出演させると「いかにも男性ウケ狙い」に見えるから男性もまぜただけなのでは……。

・刀剣男士の活躍が少なく感じる
 三日月と山姥切国広以外は最初と最後しか活躍してない印象。長谷部と山姥切長義が結構出たかなくらい……。極の髭切、膝丸や小西くんの堀川国広、小烏丸ももっと見たかった……。
 ラストのゲスト刀剣男士は人数の多さと崎山石切丸出たのがびっくりした。ステのキャラしか出ないのかと……。

・山姥切長義の扱いがワンパターン
 なんでどのメディアミックスも似たり寄ったりのことするかなあ? いい加減山姥切長義が嫌味を言われるシーン見たくない。ながよしのこと好きなのに毎回これ。次のミュも心配になってきた……。
 山姥切長義はかっこいいし美人だった。メイクなのかライティングの関係なのか綺伝より美人みが増してるような……。あと仕事一筋な感じはすごく山姥切長義だった。初見の人には厳しく冷たく見えそうだな~と思ったけど(無双の時も「なんか怖い」みたいな感想見たし)。

・いぶき
 いぶき(ちょっと漢字がわからない)も高校生くらいなのかな? 平穏に暮らしているだろう琴音と父親(たぶん)から虐待され弟を失ってしまったいぶき、って対比なのかな。琴音が説得するときの「自分の中にある弟の声を聞いて」がなんか……他人を犠牲にしても弟をよみがえらせたいって思ってる「いぶきの中の弟の声」っていぶきの中で恨み言いったり助けてと泣いたりしてるんじゃないかな……って思ったら「お兄ちゃんがいて幸せ」みたいに言ってて「いや都合いいな?」って思ってしまった。過去に言われた言葉かボールに込められてた想い、なのかなあ? それにしたって弟の代わりに兄が殴られてる状況だから出てきた言葉なのかも、と考えるとそれはそれでしんどい……。
 いぶきは最後は一応福祉に繋がれたから博物館にいた……ってことでいいのかな。なんかここも、各務がいろいろやってくれたみたいにしたら上記の「いるだけ」みたいな印象変わるのにな……と思った(時間の関係でカットしたのかもしれないが)。
 児童虐待を物語に入れるにはちょっと扱いが浅いというか、扱うならもっとちゃんと扱ってほしいな……と思った。「不幸な要素」として安易に扱うべきじゃないと思うので……。いぶきを殴ってたクソはちゃんと逮捕されたのか?

平安時代は最初だけ
 公式サイトに「そして藤原道長に(略)日本映画界を代表する実力派が脇を固める」って書いてあるけど出番は10分あったか? みたいなレベルで終わる。映画館で時計見れないから何分かわかんないけど、印象10分くらい。

・物語が退屈に感じた
 物語が単調というか、前回は歴史ミステリー的な面白さがあったけど今作はそういうのないですね。いぶきの正体がわかるまではちょっとミステリー感あったけど、見つけ方が「琴音の特殊能力」なのでナゾトキ的な面白さもない……。途中から「早く終わらないかな」って思いながら見ていた……。うーん……三日月が刀の状態でカランて落ちるとことか内側から鞄を開けるとことか、ところどころは面白いシーンがあるんだけど、そういう一発ギャグ的な面白さはあっても全体がぱっとしない……っていうのが個人的な感想です。このへん「前作みたいなの」を期待していたのもあるので、先入観なく見た方が面白いのかも……。
 CGに緊張感がないのも退屈に感じてしまったのかもしれない。特にボール型の鬼。理由として亡くなった弟が大事にしてたボールがモデルなので「可愛い見た目に悲しい理由がある」って設定なのはわかるんだけど……。出てくるたびに「ピクミンみたいだな」と思ってしまうのもよくない(笑)。
 「歴史に残らない者たちの物語」っていうのが今回のテーマなのかな、と思った。鬼として消された人々も現代に生きる琴音やいぶきたちも、歴史に名が残ることはない。平安時代よりは血なまぐさくない現代も、親に虐待され幼くして事故死した子供がいて、それは歴史になど残らない。でも琴音やいぶきは歴史上に存在するし、彼女らの存在があるから未来に繋がっていく、みたいな……。自分が期待していた「時代劇が見たい、歴史上の人物が見たい」とは真逆の作品なんだろうなあと。

 そんな感じですかね。