感想等雑記

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【ネタバレ】中島鉄砲火薬店 アーカイブ配信感想

 面白い、と噂を聞いて配信を買いました。笑って泣けてすごく面白かったです! これBDとか出ないのかな~。暗転した時の音楽も好き。
 コメディ七割シリアス三割って感じの時代劇(明治も時代劇って言うのかな?)でした。
 個人的には「高木トモユキが土方歳三役」(※『ミュージカル刀剣乱舞』においても土方歳三役を演じています)というのにとても惹かれました。「あのかっこいい土方さんがまた見れるの!?」って。もちろん役が同じといっても刀ミュの土方歳三とはちょっと違うんですが、芯の部分は同じなんだろうな、と感じました。

 舞台は既に明治、元新選組の生き残り、中島登を中心に物語は進む。幼い頃に別れ、二十年ぶりに共に暮らすことになった息子、登一郎。再婚したばかりの妻ヨネ。父の仇として登の命を狙う甘利とその仲間。石田散薬を売る謎の薬売り。土方歳三は登の「夢」に繰り返し現れる。コメディなシーンも多いけれど、戦争とは、志とは、人を殺すこととは……というシリアスなテーマもある物語です。

●印象に残ったシーンなど

・最初の前説? 的なシーン
 観客に話しかけるところがザ・舞台という感じでなんか嬉しくなってしまった。もちろん今は観客は声を出せないのですが、手で現在の年号を教えてもらって舞台上の時代の説明する。こういうの好きだなあ~。

・商売下手な中島登
 剣道の道場を甘利に譲る、農地を耕していたのにその土地を譲ってしまう、質屋でお金を貸しすぎて失敗、趣味で栽培していたバランで新種ができ一儲けするも親株を馬に食べられてしまいまた失敗……。しかもこのバランの話は実話というの、説明されなかったらフィクションかと思うような展開……(笑)。
 思えばタイトルの「中島鉄砲火薬店」は最後にしか登場しないですね……でも、一番長続きしたのが火薬店なのかあ……。

・場を明るくする妻ヨネとその妹ヨシ
 明るく陽気な性格のヨネと、その妹のヨシ。基本的にコメディ部分を担うのですが、シリアスなシーンではそのおおらかさが安心感になったり、励ましになったりしていて印象的でした。二人の出てくるコメディシーンとても面白かった~! 薬屋さんのやり取りが好きです。「わたくし、あの」しか言えないところと「今度こそお代を!」ってやるところが特に好きです。

・最後の殺陣と、土方さんと函館戦争の回想
 甘利たちに刀での命がけの勝負を挑まれ、函館戦争の記憶を思い出すシーン。刀ミュでもあったけど、「生きろよ」と言う土方さんのかっこいいこと……。登が「私は二人の男に生きろと言われている。この命は惜しくはないが、その二人を越えられない相手には殺されるわけにはいかない」的なこというとこ泣けました……。

・夢かうつつか
 舞台の時代では故人の土方歳三は「夢」とも「回想」ともつかない形で登の前に現れる。どこまでが「本当に土方歳三とかわした言葉」でどこまでが「登の想像した土方歳三」なんだろうなぁ……。

・悪役になれない甘利
 父の仇の登のことを苦しめようとするも、なかなかうまくいかない。経済力を奪おうと別の道場を建てようとするも、登に道場を自ら譲られてしまう。息子の登一郎に近づき信頼を得るも「悪い使い方」を思い付かない(自分の道場を手伝ってもらっただけ)、など甘利は全然悪役に向いてないと思う。卑怯なこととか悪どいこととか、思い付かないんだろうなぁ……。二周目は甘利可愛いな……って思いながら見てました(笑)。

・謎の薬屋さん
 薬屋さん登場するたび面白かったし正体も意外で面白かった! 新選組に詳しい人ならすぐに気づいたかもですが、わたしは全然気づかなかった。

・毎月20日は復讐の日
 ラスト、毎月一回復讐の日と称して真剣を持ち集まる面々。しかも始まる前に来月の日程調整をする(つまり、誰も死ぬ気はない)。仲よくやっとるやないか~! と非常に微笑ましい終わりでした。