感想等雑記

感想とか日記とかを書きます。気まぐれ更新です。

【ネタバレ】无伝 夕紅の士 -大坂夏の陣-(4/13配信)

 今回も定点とスイッチング両方買いました。

●ざっくりした全体の感想

 天伝ラストで「今回は真田十勇士と戦う」ことはわかっていたので、劇的に意外な展開、というのは特になかったな、とまず思いました。前回の太閤みたく「本当は敵では?」と疑うキャラや家康みたいに「こいつ何するかわからん」みたいなキャラもいない。今回は「真田十勇士と戦い、夏の陣を成立させる」にずっと集中している、という感じ。新しい謎の提示もあるけど、展開は前回のがドキドキワクワク感があったなあと思いました。
 真田十勇士という無(表記としてはタイトルと同じ「无」なのかな?)から生まれたモノと刀剣男士の戦い。最終的には三日月宗近と十対一の戦いとなったのは、『現物』がありどこの人間の間を行き来したのかみたいな『記録』がある「史実と物語のある刀」と「物語しかない刀」の戦い、みたいなとこあるのかな。
 あと印象的だったのが「戦うなと言われて暴走した十勇士の一人」。真田十勇士、存在としてはやはり不安定で「本来の役割と違うこと」を命じられると存在を維持出来ないのでは? と思いました。そして自分に近い存在の暴走を目の当たりにしたからこそ鶴丸は「ずっと戦っていたら、自分も狂ってしまうのでは?」という疑念を抱いたのでは……。でもこの「ずっと戦っていたら狂ってしまうかも」というの「人間らしい」な……と思いました。「ずっと戦えなかったら」ではなく「ずっと戦っていたら」なのが。刀だから戦えない方が嫌なのでは……と思ったら、逆なんだ……と(このへんは鶴丸自身の性格もあるのかな? 同田貫とか好戦的なキャラだったら「ずっと戦えなかったら狂いそう」になりそう)。あと「永遠に戦いが終わらないかも」という発言、審神者不老不死なの? レーヴァテイルオリジンなの? と思ってしまいました。謎存在審神者。あと三日月が「本丸があるから大丈夫」って答えるところでマネキンに服着せた仲間が出てくるの、初見は「首がなくて怖い」と思ったんですが、二回目はほっこりできるシーンでした。
 そういえば、真田十勇士、最初は「十人もいたら誰が誰やら混乱しそう……」と思ったんですが、みんな個性的なので案外混乱しなかったです。でも猿飛佐助と根津甚八霧隠才蔵穴山小助がたまに見間違えました……「好戦的なショートカット」と「知的キャラのロングヘア」で……自分が「雰囲気と髪型」で認識してるということに気づきました……認識が雑。

●印象的だった部分やキャラなど

・第一部のゲームみたいな戦闘演出
 横スクロールアクションみたいな骨喰戦、突然海になってしまう薬研戦、お寺の鐘を壊してしまうなどの数珠丸戦……どれも面白い演出でした。個人的には「諸行無常の響きあり」にすごいウケてしまった。
 完全にかっこよさより面白さを全面に出したシーンの連続で、これ声出して笑える状況だったら「会場がドッと笑う面白いシーン」になる予定だったのかな……と思いました。

・数珠丸恒次
 ゲームのイラストでは瞳を閉じて落ち着いた感じですが、ステだと目を開けて話すときに表情豊かで、可愛いなあと思いました。すごく純朴な感じがして、嘘とかつけなさそう。いや仏道の刀なのでそもそも嘘つかなさそうですが。ずっと骨喰を気にかけて声をかけて、真摯に話を聞くところが、やさしい……と思いました。
 しかし「天下五剣だから大丈夫」というその自信なんなんだ……物語が力になる(たぶん)な刀剣男士にとって「天下五剣」て「箔」がついてることそのものが力になってたりするのかな?

・スクーター(?)
 あのスクーターは、もしかして時空の乱れとかから発想を得てしまった、みたいな裏設定あるんだろうか……。何を動力源にしてるんだ……エンジンとかタイヤとか乗り越えるハードルが多すぎて「発明」の一言で片付けられないのでは……。そのへんも「放棄」の対象になる事象が起きてしまった、って感じなのだろうか……。

・秀頼と高台院
 最後のシーンが泣けました……。首落ちシルエット映像はいらなかったな……と思いました。でもシーン的に秀頼の頭を隠して生首出すまでの時間稼ぎなのかな~という気も……ただ真っ暗なだけだと待ち時間が気になってしまうけど映像あれば誤魔化せるみたいな……。

・最後の高台院と三日月の会話
高台院「きれいすぎるので自分のものにはならないと思った。あなたは月のように誰のものにもなれないのだと思う」
三日月「刀は斬るか飾られるかだ。蔵にしまわれることもあるか」
 っていう会話、高台院は「所有」について話してるけど三日月は「処遇」について答えている。これ高台院は「誰の所有物にもならないこと」を褒め言葉(それほど気高い存在だ、的な)として言ってるのか、あわれと思っているのか、よくわからないな。それに対して三日月が「刀がどう扱われるか」を答えるのは「誰の所有になるのか」よりも「どのように処遇されるのか(斬る、飾る、お蔵入り)」のが重要ってことなのかな。刀の価値観としてはお蔵入り<飾られる<斬る、みたいな気がするけども。

・エンディングが素敵だった
 映画や舞台が好きな友人が以前「舞台はどんな悲しい終わりでも、たとえ作中で悲惨な死を遂げていても、最後はみんな笑顔で手を繋いで頭を下げて終わりになるところがいい」と言っていたのですが、今回のエンディングで「なるほど」と思いました。感染対策で手は繋げませんが(というか刀ステはそもそもやらないか)、三日月が笑顔で舞台を歩き、他のキャストもみんな笑顔で頭を下げて、最後は三日月と高台院が笑顔で合流する。素敵な演出でした。

●その他気になった部分

・放棄される世界の基準が示される
 「歴史が改変されすぎて修復不可能」と判断されたら「放棄」となる。ゲームの特命調査で出陣するのは「放棄『された』世界」、すでに過去形。つまり特命調査は「失敗の尻拭い」がメイン任務、ってことなのかな……。しかも、その放棄された世界に先に派遣されるのが主にその世界に関係する刀(肥前とか南海とか一文字則宗とか)っていうのも、結構残酷だなあ……。
 今回、頑張って真田十勇士と戦ったけど結局は放棄せざるを得ない、ってあんまり「勝った」という気がしないな……と思いました。しかし特命調査が失敗の尻拭いならば、特命調査の存在しない今回の放棄は「安全に放棄できた世界」ってことではあるのかもしれない……。「放棄したけどまだ問題があるから特命調査が行われる」のだとしたら。
 それにしても泛塵が「信繁死亡の段階で放棄すべきだった、今事態がこじれたのは自分のせい」的なこと言ってるけど、如水が絡んでるし大千鳥が代わりをやらなかったら遡行軍が信繁に成り代わって結局同じ状況になったんじゃないかな……と思いました。敵方も幻術? みたいなの使えるのでは?

●新しい謎

・朧化(?)した黒田官兵衛(維伝の龍馬たちみたいな感じなのかな)
 発言からめちゃくちゃ暗躍してる感じ……? 真田十勇士の顕現とかも官兵衛がやってるのかな?

・最後に不穏な顕現演出のある鬼丸国綱
 赤くなった桜から顕現って表現がなんか怖い。ステ本丸じゃなくて敵として顕現したってことなのかな……?

・悲伝→陽伝への名称の変化
 公演タイトルが変わってしまった……新しく書き込まれるのではなく……これはステ本丸の歴史が変わるということ……?